随筆・雑記

元原稿です その2

最近油断して(てか、そんなにいつまでも知らん人に執着されるとは普通思わない。母は別にしても)旧スマホを使っていました。主に第2稿や随筆など。 (澁澤政裕) 著作権。あります。著作権侵害等の行為は…… もういいですね。言うまでもない。

元原稿です

ストーカー被害に遭ってから(ハッキング等もあったので)主に手書きで書いてきました。でも連中は(事実上の主犯は母ですから)家宅侵入等もしていた。盗作・著作権侵害防止のために元原稿の幾つかを貼っておきます。終わりの二枚は未発表未完成の小説の原…

無題

物心つくと、帰る家を失くした。そんなものなのだろう、そんな子供が他にも幾らもいることだろう。父は善い人、粗暴な振る舞いをしばしばするが本質的には善い人間で、母は卑しい人、善人の皮を被った野蛮人以外の何者でもなかった。姉は自分と最も近しいと…

九月七日 (雑記)

恐らく彼は或る程度のところまで来ている。或る階梯の或るところまで。それ故に彼は言うのだ。彼は自分のいずれ辿り着く場所をぼんやりと意識し始めていた。彼は言う。 「確かに金は必要なものではあるでしょう。でも世の中には、金に眼の色変える輩というの…

九月四、五日 (日記)

ここに流れる時間には独特の緩慢さがある。前回入院した時もそうだった。退屈はしていない。しかし時の経つのが何やら遅い。今回入院したのはいつのことだったか? 八月二十六日。そうして今日は九月四日だ。わずか九日。しかし入院した日のことがもう少し以…

七月五日 (日記)

尿意のためにいつも夜中に眼を覚ます。 これも公共設備の男子トイレへ向かう時おれの意識と足取りはまだ半分以上眼覚めてはいない。だが起きている。半分以上眠りから抜け出せずむしろそれにまとわり付かれて大変だけどおれはちゃんとトイレでしたかったこと…

大事なこと

当たり前だけど、おれの作品は全ておれのオリジナルです。以前、盗作被害にあったことがあるので。でも、第二稿を投稿するようになったのは実はごく最近のこと。第一稿は心を込めて書き、第二稿は技術で書く。文筆の基本です。書いたばかりの原稿と客観的に…

愛の話

男は勘違いをする。女のそこが潤って秘めやかな音を立てたりすると。女は時に誤った認識を信奉している。愛していない相手となどはセックスは出来ないものだと。確かに心底嫌いな相手とのセックスは女に限らず男にとっても難しいことだろう。だが例え女のそ…

入院後記 その3

入院中にはそこから出ることばかりを望んでいた。退院して、あしたで二週間が経つ。いま、あの場所で出会った人たちが懐かしい。 特に看護士さんたち。綺麗な人が多かったが、これは必ずしも顔の造型・造作の問題ではないと思う。価値観と人柄、それの放ち漂…

入院後記 その2

〝T〟は童顔のまだ女の子という感じのする三十代女性でした。入院中、入院患者という立場を同じくする人の中では、おれが最も親しくしていた人です。 パニック障害という病について、おれはほとんど知識を持ってはいません。〝T〟は突発的な物音に驚くほど…

入院後記 その1

不快な人はどこにでもいる。当然のことながら、〝気ちがい病院〟の中でも病みの度合いの高めな人の入居している場合の多い閉鎖病棟で過ごした中で、その三ヶ月ちかくに渡る日々の中でも、そんなお人と幾らかは出会い接触してもいるのです。 彼女は、恐らくは…

此処 (ここ)

長い長い悪夢の中に迷い込み、それでもなお自分を捨てず、希望を捨てず、さ迷いながら出口を探すことを諦めず、いつとはなしに光明が射し、それは実際最初のうちはぼんやりしたほのかな光、その光を見失わずに、段々とそこへ近づくその歩みを休まずに、そし…

八月四日 (日記)

無限なものと思えもしている。 時間、宇宙、諸々の神学的な事柄、太古から遥か未来に渡る人類の愚行の数量、排泄物の堆積。そして今、自宅の中でも特に多くの時間を過ごしている馴染みの部屋で、おれは今、酒を幾らか控えることを考えている。 完全に止める…

幸 福

過大評価されたものも色々ある。犯罪発生率、親子の愛や結びつき、或る種の芸術作品、セックス。価値あるものは何だろう。真実に価値のある。 或る時おれは或る場所で爪切りを使っていた。 そこは爪切りも剃刀も丈夫な紐状のものも自分で所持することの許さ…

八月一日 (日記)

あした退院する。名ごり惜しいとは思わない。むしろさっさとここを立ち去りたいと思う。看護士さんたちはみな親切で温かみあるみな綺麗なものを保った人たちだった。退院したら、再び会うことはない可能性が相当高い。それでももうここにはいたくない。いた…

七月二十四日 (日記)

或る人がおれに対して投げたたぶん不適切な問いかけがある。たぶん不適切。その人はこう言ったのだ。あなたは何のために生きていますか。十五年以上、十五、六年は以前のことなのに今でもよく憶えている。 その問いかけに対するその人自身の答えは至極簡単明…

過去から

単に団地と呼んでいたのだ。 多少普通と違っていたけど何も普通と違わなかった。国家公務員宿舎。 幼いころ、そこで感じた暗がりがある。見るというより感じていたのだ。肌触りのようなもの。だがそれはかなり明確な輪郭を持つ情景としてずっと脳裡の片隅か…

五月十三日 (日記)

東京。少し歩けばすれ違う自分とは何の関わりもない人々。知らない人、知らない声と心の持ち主。十代の頃までは東京のほかはろくに知らなかった。愛着がないわけではない。駅構内。池袋、新宿、その他。大きな駅の構内には他とは違う匂いと空気感がある。そ…

六月十五日 (日記)

好天の日が多いと感じる。でも、錯覚かも。本日の空模様は実のところは曇りがちである。 冬の夜雨(よさめ)や谺(こだま)のような余韻する(余韻する??)夜のため息、暗闇のたち込める夜の小部屋に鎖されて自らそこを出ようとせずに、ただ〝見る〟よりも…

現 代 の 詩 の 話

安易な感傷的短文に〝詩〟という名を冠して商いをする銭ゲバ系文人は論外として、それとはむしろ真逆のところに、硬派な生真面目そのものな詩人たちというのが現代にもいる。実のところ、おれはこれらの人たちの多くに対しても違和感を覚えるのです。 技術的…